実はボーナス制度のほうが損!?厚生年金保険料の計算方法と令和2年から変わった点

定年後にお世話になるであろう厚生年金保険、そのために給料から天引されて収めている厚生年金保険料はどのように決められているのかと解説していきたいと思います。
サラリーマンは基本的に厚生年金保険だと思いますので、ここでは厚生年金保険に着目して説明していきます。
厚生年金保険料は、月額の給料(報酬月額)をベースに等級1から31までに分類され、それぞれの等級に応じた金額を収めることになっています。
所得税とは異なり、ベースになるのはどの幅に自分がいるのかが重要になります。
その等級の金額(標準報酬)に18.3%という、なんとも大きな%がかけられて、厚生年金保険料が決定されるわけです。
「18.3%!?」とびっくりするかもしれませんが、この「18.3%」全額をサラリーマンの方が払うわけではなく、半分の9.150%を納め、残りの半分をサラリーマンを雇っている会社が納めることになっています。
9.150%もほぼ10%近いので給料の10%が天引きされるのもでかいのですが、、、
給料(報酬月額)と厚生年金保険料の一覧
給料(報酬月額)と厚生年金保険料の一覧を下記にまとめてみましたので、参考にしてください。
給料の幅(報酬月額) | 計算のベースの金額(標準報酬) | 等級 | 給料から天引きされる月額(9.150%の分) | 年額(賞与抜き) |
93,000未満 | 88,000 | 1 | 8,052 | 96,624 |
93,000 ~ 101,000 | 98,000 | 2 | 8,967 | 107,604 |
101,000 ~ 107,000 | 104,000 | 3 | 9,516 | 114,192 |
107,000 ~ 114,000 | 110,000 | 4 | 10,065 | 120,780 |
114,000 ~ 122,000 | 118,000 | 5 | 10,797 | 129,564 |
122,000 ~ 130,000 | 126,000 | 6 | 11,529 | 138348 |
130,000 ~ 138,000 | 134,000 | 7 | 12,261 | 147,132 |
138,000 ~ 146,000 | 142,000 | 8 | 12,993 | 155,916 |
146,000 ~ 155,000 | 150,000 | 9 | 13,725 | 164,700 |
155,000 ~ 165,000 | 160,000 | 10 | 14,640 | 175,680 |
165,000 ~ 175,000 | 170,000 | 11 | 15,555 | 186,660 |
175,000 ~ 185,000 | 180,000 | 12 | 16,470 | 197,640 |
185,000 ~ 195,000 | 190,000 | 13 | 17,385 | 208,620 |
195,000 ~ 210,000 | 200,000 | 14 | 18,300 | 219,600 |
210,000 ~ 230,000 | 220,000 | 15 | 20,130 | 241,560 |
230,000 ~ 250,000 | 240,000 | 16 | 21,960 | 263,520 |
250,000 ~ 270,000 | 260,000 | 17 | 23,790 | 285,480 |
270,000 ~ 290,000 | 280,000 | 18 | 25,620 | 307,440 |
290,000 ~ 310,000 | 300,000 | 19 | 27,450 | 329,400 |
310,000 ~ 330,000 | 320,000 | 20 | 29,280 | 351,360 |
330,000 ~ 350,000 | 340,000 | 21 | 31,110 | 373,320 |
350,000 ~ 370,000 | 360,000 | 22 | 32,940 | 395,280 |
370,000 ~ 395,000 | 380,000 | 23 | 34,770 | 417,240 |
395,000 ~ 425,000 | 410,000 | 24 | 37,515 | 450,180 |
425,000 ~ 455,000 | 440,000 | 25 | 40,260 | 483,120 |
455,000 ~ 485,000 | 470,000 | 26 | 43,005 | 516060 |
485,000 ~ 515,000 | 500,000 | 27 | 45,750 | 549,000 |
515,000 ~ 545,000 | 530,000 | 28 | 48,495 | 581,940 |
545,000 ~ 575,000 | 560,000 | 29 | 51,240 | 614,880 |
575,000 ~ 605,000 | 590,000 | 30 | 53,985 | 647,820 |
605,000以上 | 620,000 | 31 | 56,730 | 680,760 |
賞与の厚生年金保険料の計算方法
いままでは月給をベースにした厚生年金保険料の計算方法で、月額605,000円以上の方は、一律月56,730円でしたが、賞与(ボーナス)に対する厚生年金保険料の計算方法が別にあります。
賞与に対する厚生年金保険料の計算方法は、
賞与額から1,000円未満の端数を切り捨てた額に18.300%をかけた金額÷2(事業主と折半のため)
となります。
こちらの賞与額に対する厚生年金保険料は上限が設けられていないため、ボーナスが大きければ大きいほど支払う厚生年金保険料が大きくなります。
痛い、痛すぎる。。
ぶっちゃけ厚生年金保険料だけ見るとボーナスはなく、年収÷12でもらった方が双方ともにお得になる仕組みになっています。。ちなみに筆者はボーナス制度は嫌いです。年収を12分割でほしい
実はまだある企業負担の厚生年金保険料
サラリーマンを雇っている企業が、サラリーマンと同じ分だけ厚生年金保険料を支払っているというのは冒頭でご説明しましたが、実はサラリーマンが負担していない、企業だけが払っている厚生年金保険料があります。
それは
子ども・子育て拠出金率
です
こちらは、令和2年4月1日から適用が開始され、報酬月額や標準賞与額にに拠出金率(0.36%)をかけた金額を企業だけ納める厚生年金保険料になってます。
このお金の使いみちは「児童手当等の支給に要する費用の一部」に充てられるそうです。
どんどん増えるな、厚生年金保険料。