所得税の計算の流れと控除の種類、復興特別所得税とは

サラリーマンがいつも大量の税金をお国におさめている「所得税」

なんとなく給料から天引きされているので、こんなもんかなと思われている方もいらっしゃるかと思いますが、毎月毎月汗水たらして働いて稼いだお金が自動的に吸い取られる所得税がどのように計算されているのかを知っておくべきかと思います。

こちらでは、年収からどのように所得税が計算されて、天引きされ、さらに年末の年末調整である程度戻ってくるのかを解説したいと思います

 

所得税の計算の流れと控除の種類、年収600万円と年収1000万の場合

モデル:AさんBさん

  • Aさん
    • 年収:600万:月37.5万:賞与年2回/1回2ヶ月分支給
    • 年齢:30歳
    • 在住:東京都八王子市
    • 家族構成:既婚(パート/年103万)、小学生1人
    • 生命保険:年額40,000円
    • 地震保険:年額20,000円
    • 健康保険:トヨタ組合健保(https://www.toyotakenpo.jp/health_insurance/charge/
    • 家:戸建てローンあり(住宅ローン減税対象)
  • Bさん
    • 年収:1000万:月83.3万:賞与なし
    • 年齢:45歳
    • 在住:東京都港区
    • 家族構成:既婚(専業主婦/年0万)、小学生1人、中学生1人、高校生1人(16歳)
    • 生命保険:年額100,000円
    • 地震保険:なし
    • 健康保険:通常の健康保険+45歳なので介護保険
    • 家:賃貸

 

ステップ1:年収(収入金額)から所得金額を算出

いわゆる我々の言っている年収が収入金額となります。

Aさんの年収は600万のため、収入金額は600万円となります。

Bさんの年収は1000万のため、収入金額は1000万円となります。(AさんBさんには他に収入がないこととします)

600万や1000万から、所得税の対象から免れることができる「控除額」を差し引くことができ、控除を差し引いた金額が所得税の対象にまだなっている「所得金額」と言います。

計算式は

収入金額ー控除額=所得金額となります

 

ステップ1で差し引くことができる控除は以下の通りです

  • 給与所得控除
  • 公的年金等控除
  • 支払を受けた一時金に対して支払った保険料又は掛金

 

サラリーマンは基本的には「給与所得控除」だけだと思うので、

年収600万の給与所得控除額は、「収入金額×20%+44万円」なので、年収600万×20%+44万円=164万円が控除。

年収1000万の給与所得控除額は、850万円以上の方は一律「195万円」なので、195万円が控除となります

年収が上がれば控除額も上がり続けるわけではなく、850万以上はどれだけ年収が高くても195万しか給与所得控除が受けられません!

ちなみにこの給与所得控除額、令和2年からはみなさんほぼ一律10万円下がっています。。。つまりは増税ですね。。

給与所得控除額の詳しい計算方法と令和2年からどう変わったのかは、こちらで説明しています。

 

AさんBさんの「所得金額」は、とどのつまり

  • Aさん:600万-164万=436万
  • Bさん:1000万-195万円=805万

となります

ステップ2:1で算出した所得金額から税金の非対象となる金額を控除して課税対象金額を算出

ステップ2では、所得税の計算はまだ行わず、さらに税金を回避できる控除のターン!です

ステップ1で計算した所得金額からさらに所得から控除できる金額を差し引きすることができます、やった。差し引きした金額は課税される所得金額と呼ばれます

 

ステップ2の計算式は

所得金額ー控除=課税される所得金額です

 

ステップ2で差し引くことができる控除は以下の通りです

  1. 社会保険料控除=健康保険料や国民健康保険料(税)、後期高齢者医療保険料、介護保険料、国民年金保険料などの支払がある
  2. 小規模企業共済等掛金控除=小規模企業共済法の共済契約に係る掛金、確定拠出年金法の企業型年金加入者掛金及び個人型年金加入者掛金、心身障害者扶養共済制度に係る掛金の支払がある
  3. 生命保険料控除=新(旧)生命保険料や介護医療保険料、新(旧)個人年金保険料の支払がある
  4. 地震保険料控除=地震保険料や旧長期損害保険料の支払がある
  5. 寡婦・寡夫控除=あなたが寡婦又は寡夫である
  6. 勤労学生控除=あなたが勤労学生である
  7. 障害者控除=あなたや控除対象配偶者、扶養親族が障害者である
  8. 配偶者特別控除=あなたの合計所得金額が1,000万円以下で、配偶者の合計所得金額が1万円を超え、201.6万円未満である
  9. 扶養控除=控除対象扶養親族がいる
  10. 基礎控除=38万円の控除
  11. 雑損控除=災害や盗難、横領により住宅や家財などに損害を受けた
  12. 医療費控除=一定額以上の医療費の支払がある
  13. 寄附金控除=国に対する寄附金やふるさと納税(都道府県・市区町村に対する寄附金)、特定の政治献金などがある

 

サラリーマンで利用できる控除は、「社会保険料控除」「生命保険料控除」「地震保険料控除」「配偶者(特別)控除」「扶養控除」「基礎控除」「寄附金控除」ではないかと思います。

もし、「独身子なし実家住みで生命・地震保険も入ってないし、ふるさと納税もしてないぜサラリーマン」であれば「社会保険料控除」「基礎控除」の2つだけになるかと思います。

 

Aさんの控除額

年収600万のAさんの控除額は、

合計控除額:1,701,540円

 

よって、課税される所得金額は

4,360,000ー1,701,540=2,658,460円

となります

 

Bさんの控除額

年収1000万のBさんの控除額は、

  • 社会保険料控除:1,291,428円
    • 厚生年金:680,760円=56,730円x12ヶ月(*賞与がないため、賞与に係る保険料が0になります)(詳しい計算方法はこちら
    • 雇用保険:30,000円=1000万 x 0.3%(雇用保険は一律0.3% *一般の事業の場合)
    • 健康保険:491,526円=40,960.5円 x 12ヶ月(協会けんぽよりhttps://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat330/sb3150/r02/r2ryougakuhyou4gatukara/
    • 介護保険:89,142円=7428.5円 x 12ヶ月
  • 生命保険料控除:40,000円=最大40,000円まで(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2015/a/03/order3/3-3_08.htm)
  • 地震保険料控除:なし
  • 配偶者(特別)控除:なし:年収1,000万のため対象外
  • 扶養控除:380,000円=16歳の高校生が控除対象扶養親族となるため
  • 基礎控除:380,000円

合計控除額:2,091,428円

 

よって、課税される所得金額は

8,050,000ー2,091,428=5,958,572円

となります

 

ステップ3:にっくき所得税の税率を使って、2の課税対象から所得税額を算出

ステップ4:3から控除できる金額を控除して、最終的な所得税額(基準所得税額)を算出

ステップ5:最終的な所得税額(基準所得税額)に2.1%をかけて、復興特別所得税額を算出

ステップ6:ステップ4とステップ5の金額を合計し、「所得税及び復興特別所得税」を算出

ステップ7:すでに収めた源泉徴収とステップ6の金額を比較し、最終的にステップ6の金額になるように還付するものは還付=年末調整

 

 

*当サイトはトヨタ組合健保とは関係なく、あくまで参考資料として引用しております。よって計算結果と実際値と乖離がある可能性があります。

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